ジョーダンブランドが手がけるユース世代向けのグローバル1on1トーナメント「THE ONE」。チーム戦術ではなく、目の前の相手をどう抜くか、どう止めるかという“個の勝負”にフォーカスした大会です。
2026年は日本国内でも予選が行われ、8月には中国・上海でグローバルファイナルが開催予定。バスケのスキル勝負として面白いのはもちろん、ジョーダンブランドらしいストリート感やカルチャー性も含めて、かなり注目度の高いイベントになりそうです。
「THE ONE」とは?
「THE ONE(ザ・ワン)」は、ナイキ傘下のジョーダンブランドが主催する、14歳から18歳までの若いバスケットボール選手を対象にした1on1トーナメントです。
初開催は2024年。まだ歴史の長い大会ではありませんが、世界中の有望選手が集まるショーケースとして、年々存在感を増しています。
- 原点はマイケル・ジョーダンの1on1: マイケル・ジョーダンが幼少期に兄ラリー・ジョーダンと裏庭で繰り返した1on1。その原体験にある「絶対に勝ちたい」という気持ちを、今のユース世代に重ねた大会です。
- バスケとカルチャーが近い: 会場ではDJやMCが盛り上げ、観客もコートの近くで熱気をつくります。ただ試合をするだけではなく、ストリートバスケや音楽、ファッションの空気感も楽しめるイベントです。
- 勝てば大きなチャンスにつながる: 優勝者には「The One」の称号に加えて、賞金やグローバルキャンペーンへの起用、ジョーダンブランドとのアンバサダー契約などが用意されています。
THE ONEのルール
THE ONEは、5人制バスケや3×3とはかなり違います。1on1なので当然ですが、チームの約束事よりも、ボールを持った選手の判断力、シュート力、フィジカル、そしてメンタルがそのまま勝敗に出ます。
| ルール項目 | 内容 |
|---|---|
| 勝敗条件と試合時間 | 23点先取、または8分間で決着。延長戦は先に決めた方が勝つサドンデス方式。 |
| 得点システム | 2点・3点制。フリースローは1点。 |
| クロック管理 | 基本はランニングクロック。最後の1分は笛、得点、負傷時に時計が止まります。 |
| ショットクロック | 9秒。ボールクリア後、またはチェック後にオフェンスがボールに触れた瞬間からスタート。 |
| ポゼッション | メイク・イット・テイク・イット方式。得点した選手が続けて攻撃できます。 |
| リバウンドとクリア | ディフェンスリバウンド時、またはシュートがリングに当たらなかった場合は、5秒以内に3ポイントラインの外へ出す必要があります。 |
| ファウルとペナルティ | シューティングファウルは1フリースロー。アンドワンはなし。4つ目のファウルからボーナス。悪質なプレーにはフリースローとポゼッションが与えられます。 |
| バックダウン制限 | ペイントエリア内で2ポゼッション連続のバックダウンは禁止。ゴールに背を向けた状態で3回連続ドリブルすると警告、再度行うとターンオーバー。 |
バックダウン制限があるのが面白い
THE ONEで特に面白いのが、バックダウンへの制限です。単純に体の大きい選手が押し込んで勝つだけにならないよう、ルールでバランスが取られています。
- ペイントエリア内で2ポゼッション連続してバックダウンすることは禁止。
- ゴールに背中を向けた状態で3回連続ドリブルすると、バックダウンとみなされます。
- 1回目は警告、再び同じプレーが行われた場合は、3回目のドリブル時点でターンオーバーになります。
- このルールがあることで、サイズだけでなく、フェイスアップのスキル、スピード、ハンドリング、外のシュートがより重要になります。
つまり、身長やパワーで劣る選手でも、スキルで大きな選手を倒せる可能性があるということ。1on1らしい面白さが出やすいルールです。
2026年大会のスケジュール
2026年のTHE ONEは、世界各地で予選が行われ、勝ち上がった選手が上海のグローバルファイナルを目指す流れです。
2024年はパリ、2025年はニューヨークでグローバルファイナルが開催され、2026年は中国・上海へ。大会のスケール感もどんどん大きくなっています。
| 大会フェーズ | 開催地域・都市 | 開催日程(2026年) | 概要 |
|---|---|---|---|
| ヨーロッパ予選 | ロンドン、マドリード、リュブリャナ、ベオグラード、パリなど | 5月24日〜6月21日 | ロンドン大会はHoopsfix All Star Classic内で開催。その後、各都市で順次予選が行われます。 |
| 日本予選・名古屋 | 名古屋(ディーナゲッツ名古屋) | 7月5日(日) | アルペングループ(SPORTS DEPO)主催。男女各12名が出場し、勝者が東京予選へ進みます。 |
| 日本決勝・東京 | 東京 | 7月15日(水) | 日本国内のトップ選手が集まり、男女各1名が東京代表として世界大会へ進みます。 |
| 北米予選 | ロサンゼルス、シカゴ、ニューヨーク | 7月31日〜8月1日 | ロサンゼルス大会はJordan Dome(イングルウッド)で開催されます。 |
| グローバルファイナル | 中国・上海 | 8月29日(土) | 世界各都市の代表が集まり、男女それぞれの世界王者を決めます。 |
日本は名古屋から東京、そして世界へ
日本国内では、名古屋予選と東京決勝の2段階で代表が決まります。
- 7月5日の「SPORTS DEPO presents THE ONE NAGOYA supported by JORDAN BRAND」は、株式会社アルペンとのパートナーシップで行われる国内予選です。
- 名古屋予選には男女各12名、合計24名が出場予定です。
- 出場選手には、アルペングループ限定販売のジョーダンブランド最新作シューズ「TRIANGLE」が提供されます。
若い選手たちの勝負の場であると同時に、ジョーダンブランドの新作シューズやカルチャーを体感できるイベントにもなっています。
注目選手と過去大会の流れ
THE ONEの出場資格はかなり明確です。グローバルファイナル開催時点で18歳以下であることが条件で、さらにアマチュア資格に関わるルールも設定されています。
単なる一般参加型イベントというより、将来性のあるユース選手が世界に出ていくためのショーケースという色合いが強い大会です。
| 選手名 | 出身・所属など | 実績 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| タティアナ・グリフィン(Tatianna Griffin) | アメリカ・ロサンゼルス | 2024年 女子世界チャンピオン | パリで行われた初代大会で女子世界王者に輝きました。 |
| スティーブ・バー(Steve Bah) | フランス・パリ | 2024年 男子世界チャンピオン | 地元パリ開催の大会で、多国籍のライバルを相手に優勝しました。 |
| ローズ・シンプソン(Rose Simpson) | – | 2025年 女子世界チャンピオン | ニューヨーク大会を制し、次世代の実力者として存在感を見せました。 |
| テロン・ウィリアムズ(Terron Williams) | アメリカ・ロサンゼルス | 2025年 男子世界チャンピオン | LA予選を勝ち抜き、そのままニューヨークのグローバルファイナルも制しました。 |
| ケイデン・ベイリー(Kaiden Bailey) | アメリカ・ロサンゼルス | 2024年 男子LA勝者 | レベルの高いカリフォルニアの予選を勝ち抜いた選手です。 |
| アディソン・アップホフ(Addison Uphoff) | アメリカ・ロサンゼルス | 2025年 女子LA勝者 | 2025年のロサンゼルス予選でスキルを見せ、優勝をつかみました。 |
日本人選手にもチャンスがある
日本の高校バスケ界からも、THE ONEで存在感を見せる選手が出てきています。チームの中でどう活きるかではなく、1on1で相手を倒せるかが問われる大会だからこそ、普段とは違う選手の魅力が見えやすいのも面白いところです。
- 満生小珀(京都精華学園高校出身): 2024年のパリ大会で世界準優勝。2025年東京予選では、西本未来や堀心優を退け、決勝では杉山ももに対して0-8のビハインドから逆転勝利。ステップバックやジャンプシュートで流れを変える勝負強さを見せました。
- 佐藤凪(東山高校出身): 1on1スキルに優れ、2025年東京予選では新美鯉星やドス サントス マノエル ハジメ(福岡大学附属大濠高校)を撃破。決勝ではサドンデスの接戦を制しました。
- 栗原咲太郎&ハウエット凪音: ともに大会で強い存在感を見せた選手です。特に栗原は、相手との距離感や間合いの取り方のうまさが印象的でした。
八村塁からのメッセージも熱い
NBAロサンゼルス・レイカーズで活躍する八村塁も、THE ONEに向けてメッセージを発信しています。
「THE ONE」は、日本の選手にとって世界に自分を証明するチャンスのひとつ。世界に挑戦する覚悟のある選手を見つけ出し、上海のグローバルファイナルに連れて行きたいというメッセージは、若い選手にとって大きな刺激になるはずです。
「Japan, are you the one?」という問いかけも、この大会らしい熱さがあります。日本から世界に挑む選手が出てくるのか、バスケファンとしてはかなり楽しみです。
観戦・視聴方法
THE ONEは現地観戦だけでなく、オンラインでの配信やSNSでのハイライト展開も期待されます。日本予選については、観覧やエントリーの方法がそれぞれ設定されています。
| 方法 | 内容 |
|---|---|
| ライブ配信(Twitch / YouTubeなど) | Jordan Brandの公式デジタルチャンネルで配信される可能性があります。 |
| ハイライト・速報(公式SNS / メディア) | 公式Instagram(@jumpman23)での更新。 |
| 名古屋予選の現地観戦 | 6月18日〜6月28日に、アルペングループアプリを通じてメンバーズ登録・観覧応募が必要です。約50名の限定公開となっています。 |
| 東京予選の現地観戦 | Nike公式アプリ経由の事前抽選制になる見込みです。観覧を狙う場合は、アカウント登録や公式情報の確認が必要です。 |
| 出場エントリー | 名古屋予選は、6月19日〜6月28日にアルペングループ特設サイトからエントリー。優勝者は東京予選への出場が必要です。 |
THE ONEは日本バスケにとっても面白い大会
THE ONEの魅力は、何といっても1on1で勝ち切る力がそのまま見えるところです。
日本のバスケでは、チームプレーやパスワーク、組織的な守備が大事にされてきました。それはもちろん重要ですが、世界を相手に戦うには、最後に自分で点を取り切る力、相手のエースを止め切る力も欠かせません。
- 9秒ショットクロックが個の判断を引き出す: 長く考える時間がないからこそ、選手の本能的な判断や勝負勘が出ます。
- バックダウン制限でスキル勝負になりやすい: サイズだけで押し込む展開になりにくく、ハンドリングやシュート力のある選手にもチャンスがあります。
- 日本の若手が世界を狙える舞台: 満生小珀や佐藤凪のように、日本の選手が世界と戦える可能性を見せているのも大きなポイントです。
2026年8月29日に上海で行われるグローバルファイナルへ、日本からどんな選手が挑むのか。高校バスケやユース世代を追っているファンはもちろん、NBAやストリートバスケが好きな人にとっても、THE ONEはチェックしておきたい大会です。





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