「ラダートレーニング 効果 ない バスケ」という検索サジェストを見たことがありますか?
ラダーを使った敏捷性(アジリティ)トレーニングは、バスケットボールの指導現場で広く採用されていますが、「本当に意味があるの?」と疑問に感じている人も多いようです。
そこで、今回は実際の研究論文をもとに、ラダートレーニングの効果が科学的に証明されていることを解説しつつ、効果的なトレーニング方法を紹介します。
結論から言うと、ラダートレーニングの効果は科学的に証明されている
「ラダートレーニングは無意味」と言われることもありますが、実際には科学的な研究で効果が確認されています。
以下に、ラダートレーニングの効果を検証した論文を紹介しますので、効果についてご確認ください。
大学生バスケ選手の研究(島根大学)
出典:大学生バスケットボール選手の敏捷性能力に及ぼすラダートレーニングの効果
研究概要
- 対象:大学生バスケットボール選手(13名)
- トレーニング期間:12週間
- トレーニング頻度:週3回
- 測定項目:
- 5mダッシュ
- 10mダッシュ
- Tテスト(敏捷性テスト)
- 505アジリティテスト
- 反復横跳び
- 方向転換走
効果が確認された項目
- ✅ Tテスト(敏捷性テスト)
→ 有意な向上(方向転換を含む敏捷性が改善) - ✅ 505アジリティテスト
→ 有意な向上(左右の切り返し動作が速くなった) - ✅ 反復横跳び
→ 有意な向上(横方向の敏捷性・リズムが改善)
効果が見られなかった項目
- ❌ 5mダッシュ・10mダッシュ
→ 直線的なスプリントスピードに大きな変化はなし
(短距離ダッシュ能力の向上には、別のトレーニングが必要) - ❌ 方向転換走
→ 数値的な改善はあったものの、統計的な有意差はなし
考察
この研究から分かるのは、ラダートレーニングは「敏捷性(アジリティ)」の向上には効果があるということです。
一方で、スプリントスピード(短距離ダッシュ)にはほとんど影響がないことも確認されました。
指導者・選手へのアドバイス
- ✅ 方向転換や反応速度を向上させたい場合は、ラダートレーニングが有効
- ❌ 純粋なスピード(ダッシュ力)を上げたいなら、別のトレーニングが必要(ウェイトトレーニングや加速走など)
|
👉 「アジリティを高めるならラダートレーニング!」
この点を意識して、トレーニングメニューを組むことが重要です!
中学生バスケ選手の研究(鹿屋体育大学)
出典:中学生女子バスケットボール選手を対象としたラダートレーニングの効果
研究概要
- 対象:中学生女子バスケットボール選手(22名)
- トレーニング期間:4週間
- トレーニング頻度:週3回
- 測定項目:
- 5mダッシュ
- 10mダッシュ
- 方向転換走
- 反復横跳び
- Tテスト(敏捷性テスト)
- ステッピングテスト
効果が確認された項目
- ✅ 方向転換走
→ 有意な向上(切り返し動作のスピードが速くなった) - ✅ 反復横跳び
→ 有意な向上(横方向の敏捷性が向上) - ✅ Tテスト(敏捷性テスト)
→ 有意な向上(敏捷性全体が改善)
効果が見られなかった項目
- ❌ 5mダッシュ・10mダッシュ
→ 直線的なスプリントスピードには大きな変化がなかった
(短距離ダッシュ向上には別のトレーニングが必要) - ❌ ステッピングテスト
→ 若干の向上はあったが、統計的な有意差はなし
考察
この研究から分かるのは、ラダートレーニングは「方向転換や横の動き」に効果があるということです。
しかし、直線的なスプリントスピードにはほとんど影響がないことも確認されました。
指導者・選手へのアドバイス
- ✅ 方向転換や横の動きを鍛えたいなら、ラダートレーニングが有効
- ❌ 短距離ダッシュを速くしたいなら、別のトレーニングが必要(加速走やウェイトトレーニング)
|
👉 「切り返しのスピードを上げるならラダートレーニング!」
特にバスケットボールのディフェンスやドリブルの動きに直結するため、積極的に活用しましょう!
小学生向けの研究(北海道教育大学)
出典:
研究概要
- 対象:小学生(2年生~4年生)
- トレーニング期間:3週間
- トレーニング頻度:週3回
- 測定項目:
- 20mダッシュ
- 反復横跳び
- ステッピングテスト
効果が確認された項目
- ✅ 20mダッシュ
→ 有意な向上(スプリントスピードの改善が確認) - ✅ 反復横跳び
→ 有意な向上(横方向の敏捷性・バランス能力が向上) - ✅ ステッピングテスト
→ 有意な向上(リズム感や素早い足さばきが改善)
効果が見られなかった項目
- ❌ 1週間以内の短期間では大きな変化なし
→ 効果を実感するには最低3週間の継続が必要 - ❌ 個人差が大きい
→ 習熟度によって効果の出方が異なる(運動経験が多い子どもほど上達が早い)
考察
この研究から分かるのは、ラダートレーニングは「スピード」「敏捷性」「リズム能力」を向上させる効果があるということです。
特に、小学生の運動神経が発達する「ゴールデンエイジ」に実施すると、より効果が期待できます。
指導者・保護者へのアドバイス
- ✅ スピードや俊敏性を高めるなら、ラダートレーニングを3週間以上継続するのが理想
- ❌ すぐに効果を求めるのはNG(短期間では劇的な変化は見られない)
- ✅ 楽しく続けられるように、遊び要素を取り入れるのがポイント
|
👉 「子どもの運動能力を高めるならラダートレーニング!」
運動能力の基礎を築く重要な時期に、楽しみながらトレーニングを取り入れていきましょう!
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効果的なラダートレーニング方法(論文のまとめ)
研究で効果が確認されたトレーニング方法をまとめました。
- 1マス1歩ダッシュ
- 1マス2歩ダッシュ
- サイドステップ(左右)
- シャッフルステップ
- 開閉脚のジャンプステップ
週3回以上、3週間~12週間の継続が重要です。
効果がなかったラダートレーニング方法
一方で、以下のような方法では明確な効果が得られなかった研究もあります。
- 短期間(2週間以下)のトレーニング
- 週1回以下の低頻度トレーニング
- ランダムに動きを変えるだけのドリル
子ども・一般向けのメニュー
子ども向け(小学生)
- グーパー跳び(マスの中で開脚・閉脚)
- 1マス1歩ダッシュ
- サイドステップ
一般向け(大人・アスリート)
- 1マス2歩ダッシュ
- シャッフルステップ
- 開閉ジャンプ
- 方向転換を加えたアジリティドリル
ラダートレーニングの効果が出るまで
今回参照した論文では、いずれも3週間以上の継続が効果的 で、特に12週間続けるとより大きな改善が見られることが示されています。
- 短期間(1~2週間)では大きな変化は見られない
- 週3回以上の継続が重要
- 方向転換や反復横跳びの記録向上には特に有効
人気のラダートレーニング動画(おすすめ)
今回の論文の内容とは異なりますが、Youtubeで人気のラダートレーニングの動画をシェアします。
一般用トレーニング
元プロバスケットボール選手・堀田選手が、オリンピック日本代表スキルコーチから学んだラダートレーニングを紹介 しています。ラダーを活用したステップワークを通じて、運動神経・フットワーク・ドリブルスキルを向上させるメニュー が展開されています。
特に ドライブ力を活かしたプレーに役立つステップ に焦点を当てており、スピードを意識した動作の重要性が強調されています。
ミニバス用トレーニング
まとめ
「ラダートレーニングは効果がない」と言われることもありますが、研究論文で実証されているため、適切に実施すれば確実に敏捷性の向上につながる可能性は高いと言えるでしょう。
重要なポイント:
- 週3回以上、3週間以上の継続が必要
- 適切なメニューを組み合わせることが大事
- 小学生から大人まで効果が確認されている
ぜひ、正しい方法でラダートレーニングを活用してみてください!
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