NBAの「2way契約(ツーウェイ契約,ツーウェイ・コントラクト)」とは、若い選手を育てるためのNBAの特別な契約です。
この契約では、選手はNBAとその下部リーグであるGリーグの両方でプレーすることができます。
これにより、チームは柔軟に選手を使い分けることができ、選手にとっても成長のチャンスが広がります。
この記事では、2ウェイ契約の内容や、何人まで契約できるのか、そして年俸について説明します。
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2ウェイ契約とは?
2ウェイ契約は、2017年にNBAに導入され、主にドラフト外の若手選手やNBA経験の浅い選手が対象となります。
この契約により、選手はNBAチームのロスター(選手名簿)に正式に含まれず、代わりにGリーグで多くの時間を過ごしながら、NBAチームにも一時的に合流することができます。
2ウェイ契約の主な特徴
- NBAとGリーグでのプレー:選手は、NBAの試合に最大50試合まで出場可能です。それ以上出場するには通常のNBA契約が必要です。
- 対象選手:NBAでの経験が3年以下の選手が対象です。特にドラフト指名されなかった選手や若手選手に利用されます。
- ロスター枠外:2ウェイ契約の選手は、NBAの通常の15人のロスターには含まれず、追加の選手枠として認められます。
何人まで契約できるか?
各NBAチームは、最大で3人の2ウェイ契約選手を保有することができます。これは、チームがより多くの若手選手を育成しつつ、主力選手の負担を軽減する手段として重要です。
2ウェイプレーヤーの一覧を調べる方法
各NBAチームが保有する2ウェイプレーヤーを調べるには、Gリーグ公式HPの2ウェイプレーヤー一覧が最適です。
上記のページでは、現在NBAに2ウェイ契約で所属するプレーヤーの最新情報が、所属NBAチーム/Gリーグチームごとにまとめられています。
契約期間は?
NBAの2ウェイ契約は通常1シーズンの契約期間です。シーズン中に契約の更新や終了が行われることもありますが、基本的にはそのシーズン限りで有効です。
シーズンが終わると、チームは選手と再契約するか、新たな契約を結ぶかの選択を行います。2ウェイ契約の選手が50試合以上NBAに出場する場合は、通常のNBA契約が必要となり、その場合は新たに契約を締結する必要があります。
2ウェイ契約は若手選手にとって、NBAにステップアップするための重要な機会であり、選手にとっては実力を証明するための大切な期間です。
2ウェイ契約の選手はいつでも解雇できる?
NBAの2ウェイ契約選手は、チームがシーズン中いつでも解雇することが可能です。通常のNBA契約選手と同様に、解雇に関して特別な制約はありません。
NBAチームが「ウェーバー公示」を通じて他チームに選手を提示し、48時間以内に他チームが獲得しない場合、契約は正式に解除され、フリーエージェントとして扱われます。
また、2ウェイ契約は通常1年単位の契約です。シーズンが終了すると契約も自動的に終了し、契約更新がなければ、その時点で事実上の解雇となります。
さらに、2023年のCBA(団体交渉協約)の改正により、2ウェイ契約選手はNBAチームのロスターに含まれる期間が、かつての「45日間」から「50試合」に変更されています。このルール変更により、NBAチームでの活動がより柔軟になりました。
ただし、2ウェイ契約には通常のNBA契約よりも給与保証が少なく、契約に給与保証条項が含まれていない場合、解雇時に残りの契約期間に対する給与は支払われません。
2ウェイ契約の年俸はどのくらい?
NBAとGリーグとの2ウェイ契約の年俸についての決まりは、NBA-NBPA労使契約(CBA・NBAと選手会の労使契約)に定められています。
以下は2ウェイ契約に関する規定です。
給与に関する規定(セクション11)
- 2ウェイ契約の給与: 2ウェイ契約の給与は、シーズンごとにNBAルーキー最低年俸の50%に相当し、そのシーズンに残っている日数に基づいて調整されます。
- 給与保護の最大額: 2023-24シーズンにおける給与保護の最大額は75,000ドルです。シーズン開始後に契約が結ばれる場合、基本給与の50%まで増加する可能性があります。
- 契約期間: 2ウェイ契約の期間は最大2シーズンで、オプション年や早期終了オプションは含まれません。
具体的な例
2ウェイ契約の選手は、Gリーグに所属している期間中に保障された約75,000ドル(約1,100万円)の年俸を受け取ります。
そして、NBAに呼び上げられると、ルーキーの最低年俸を得ることができます。
選手は最大で200,000ドル(約3,000万円)以上を稼ぐ可能性があります。
2ウェイ契約の年俸は通常のNBA選手の1/2程度の水準となり、Gリーグでの試合出場が多い場合はその分年俸も下がります。
NBAの試合に出場することで、日割りで支払われる金額が増加するため、選手にとってはNBAでのプレー時間が年俸に大きく影響するのが特徴です。
まとめ
NBAの2ウェイ契約は、若手選手がプロのキャリアをスタートさせるための重要なステップであり、チームにとっても選手の育成やロスターの柔軟な運用を可能にする制度です。
契約できる選手の数は最大で3人、年俸は出場時間に応じて変動しますが、基本的にはNBAの最低年俸よりも低い水準に設定されています。
この制度を理解することで、NBAのチーム戦略や若手選手のキャリア形成に対する理解が深まるでしょう。
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