NBAの10日間契約(10-Day Contracts)はNBAの労使協定に定められた、チームが選手を短期間で評価するために利用する契約形式であり、主にシーズン中にロスターの柔軟性を保つために使用されます。
特に怪我人が多い場合や、選手のパフォーマンスを短期間で試したいときに役立ちます。
この契約は、選手とチーム双方にとってメリットがあり、短期間での戦力補強や選手のチャンスを広げる手段として利用されています。
NBAの10日間契約とは?
10日間契約は、選手とチームが締結する短期の労働契約で、契約期間はその名の通り10日間です。
この期間中、選手はNBAチームの一員として公式戦に出場することができ、契約が終了する前にチームが契約を延長するか、終了するかを決定します。
チームは同じ選手と10日間契約を2回まで結ぶことができますが、3回目の契約にはシーズン終了までの契約を結ばなければなりません。
10日間契約の適用条件
10日間契約は通常、シーズン中盤から終盤にかけて、特に怪我が発生した場合やロスターに空きができたときに利用されます。
また、チームが給与制限の範囲内で選手を追加するためにも使われます。
選手は主にGリーグ(NBAの下部組織)や海外でプレーしている選手、またはドラフトで選ばれたがロスター入りできなかった選手などが対象です。
10日間契約の給料
NBAの10日間契約の給料は、選手の経験年数によって異なります。具体的には、選手の年数に応じて最低賃金が設定されており、これに基づいて給料が決定されます。10日間契約の給与は、以下のように計算されます。
- 1年目の選手:NBAの最低年俸の約10分の1が支払われます。2023-24シーズンの最低年俸は約97万ドルであり、これを10日で割ると、1年目の選手は約9.7万ドルの10日間契約の給与を得ることになります。
- 2年目の選手以上:経験年数が増えるごとに最低年俸も増加するため、10日間契約の給料も上がります。例えば、5年目の選手の場合、最低年俸が約200万ドルとなるため、10日間契約の給料は約20万ドルとなります。
- ベテラン選手(10年以上):ベテラン選手の場合、給与はさらに高額になります。10年以上の経験を持つ選手の場合、最低年俸は約290万ドルに達し、10日間契約では約29万ドルの給与が支払われます。
10日間契約では、選手が出場する試合数に関係なく、契約期間全体の給与が支払われます。選手が活躍してチームのニーズに合致すれば、2回目の10日間契約やシーズン終了までの契約に繋がることもあります。
10日間契約のメリット
10日間契約は、選手とチームの双方にとってメリットがあります。チームにとっては、短期間で選手の適性を確認できる柔軟な契約であり、長期の財政的負担を避けつつ戦力を補充する手段となります。選手にとっては、NBAでプレーする貴重な機会を得ることができ、自らの実力をアピールする場として重要です。特にGリーグでプレーしている選手やフリーエージェントの選手にとって、NBAでの短期間の活躍がシーズン終了までの契約や他のチームからのオファーに繋がる可能性があります。
注意点
10日間契約の選手は、チームの正式な一員として扱われますが、契約終了時には再契約される保証はありません。また、チームの選択によっては、再契約されないままシーズンが終わることもあります。選手にとっては不安定な契約形態であるため、パフォーマンスを維持し、アピールすることが求められます。
まとめ
NBAの10日間契約は、選手とチームの双方にとって柔軟な戦略を提供するものであり、シーズン中のロスター調整や短期間での戦力補強に役立っています。給与は選手の経験年数に応じて変動し、最低賃金を基に計算されます。この契約を通じて、選手はNBAでのチャンスを掴み、長期契約を目指すことができるため、特に若手やベテラン選手にとって重要なステップとなることがあります。
このように、10日間契約はNBAにおける戦略的な選手起用の一環として重要な役割を果たしており、ファンにとっても新しい選手の発掘や短期間での活躍を楽しむ機会となります。
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