バスケ用語「ブローアウト」とは？

バスケットボールの試合では、時に一方的な展開になり、大差がついたまま終了することがあります。これを「ブローアウト（Blowout）」と呼びます。大差試合は「つまらない」と思われがちですが、実はそこにもバスケットボールの魅力やドラマが詰まっています。なぜブローアウトが起こるのか、そしてその試合をどう楽しめばいいのかを見てみましょう。

バスケでよく見かける「ブローアウト」とは？

「ブローアウト（Blowout）」とは、バスケットボールの試合において、一方のチームが相手を大差で圧倒して勝利することを指します。具体的には、20点以上の差がつくような試合を指すことが一般的です。

NBAやFIBAの公式ルールブックには「ブローアウト」の明確な定義はありませんが、実況や解説でよく使われる用語です。

なぜブローアウトが起こるのか？

ブローアウトが起こる理由はいくつかあります。

① チームの実力差

強豪チームと下位チームの対戦では、実力差が明白なため、一方的な試合展開になりやすいです。特にNBAでは、スター選手を多く抱えるチームと再建中のチームの間でブローアウトが発生しやすくなります。

② スタープレイヤーの爆発

個々の選手が異次元のパフォーマンスを見せることで、試合の流れが一方的になることがあります。例えば、ステフィン・カリーが3ポイントを量産し、試合開始早々に20点以上のリードを奪うケースなどが挙げられます。

③ ディフェンスの崩壊

相手チームの守備が機能せず、連続得点を許すと試合は一気に決まってしまいます。特に、ファストブレイク（速攻）が多く決まると、相手は防戦一方になります。

④ メンタル面の影響

試合中に「もう勝てない」と選手たちが感じると、集中力が低下し、さらに点差が開く悪循環に陥ります。

ブローアウト試合の楽しみ方

「一方的な試合だからつまらない」と思う人もいるかもしれませんが、実はブローアウト試合には独特の楽しみ方があります。

若手選手の活躍が見られる

ブローアウト試合では、主力選手がベンチに下がることが多く、普段出場機会が少ない若手選手が活躍するチャンスになります。特に、ルーキーやGリーグ（NBAの下部リーグ）出身の選手が台頭する瞬間を見逃せません。

歴史的な記録が生まれる

大差がつく試合では、選手が個人記録を更新するケースもあります。例えば、クレイ・トンプソンは2016年の試合で、3クォーターだけで60点を記録しました。ブローアウトがなければ、こうした歴史的瞬間は生まれなかったかもしれません。

戦術の変化を観察できる

一方的な展開になると、コーチ陣は通常の戦術を変え、選手たちに違う役割を試させることがあります。例えば、センターが外からシュートを狙うなど、普段見られないプレーが出ることもあります。

NBAとFIBAでのブローアウトの特徴

NBAの場合

NBAでは、オフェンスが重視されるため、大量得点の試合が比較的多く見られます。例えば、2023-24シーズンの試合では、ボストン・セルティックスがインディアナ・ペイサーズを155-104で圧倒するブローアウトがありました​。

FIBA（国際試合）の場合

FIBAルールでは、試合時間がNBAより短く（40分）、守備が重視されるため、大差がつく試合は比較的少なめです。ただし、ワールドカップなどでは、アメリカ代表のような圧倒的な強豪国が、発展途上のバスケットボール国を相手に50点差以上のブローアウトを記録することもあります​。

ブローアウト時のルールとマナー

ブローアウトを防ぐために、いくつかのルールやマナーが不文律として存在しています。

試合が決定的な点差になった場合、勝っているチームは主力選手を下げ、ベンチメンバーを起用します。これにより、相手を不必要に傷つけることを避けるのが一般的なマナーです。

また、明らかに勝敗が決まった試合では、相手をいたずらに煽る行為は避けるのがルールです。

そして最後のポゼッションではシュートを打たずに時間を使い切るのがマナーとされています。

まとめ
ブローアウトは一方的な試合展開を指しますが、その中にも見どころがあります。

・若手選手の活躍
・歴史的な記録の誕生
・戦術の変化

NBAやFIBAの試合を観る際には、ただスコアだけを見るのではなく、こうしたポイントに注目すると、より深くバスケットボールを楽しむことができます。

バスケットボールの醍醐味は、接戦だけではなく、圧倒的な強さを見せる試合にもあります。「ブローアウト＝つまらない」ではなく、その中に隠れたドラマを見つけるのがバスケ観戦の楽しみの一つです！