バスケットボールの試合でよく聞く「ポイントガード」や「シューティングガード」というポジション名。
しかし、「ガード(Guard)」という言葉は「守る」という意味を持つにもかかわらず、ポイントガードはチームの司令塔として攻撃を組み立てる役割を担っています。
では、この「ガード」という名称はいつ、どのように生まれたのでしょうか? 本記事では、バスケットボールの歴史を振り返りながら、その由来を探ります。
バスケの「ガード」というポジション名はいつ誰が付けた?
本記事は、バスケットボールの「ガード」ポジション名の由来について、歴史的背景や戦術の変遷をもとに解説しました。情報ソースとして、Under Armour や The Lab breakthroughbasketballなどの記事を参考にしています。ガードという名称の変遷を知ることで、バスケットボールの奥深さをより楽しんでいただければ幸いです。
1. バスケットボール創成期とポジションのなかった時代
バスケットボールは1891年にジェームズ・ネイスミス博士によって考案されました。当初のルールには、現在のようなポジションの概念は存在せず、選手たちは自由に動きながらプレーしていました。
しかし、試合が発展するにつれ、選手たちは自然と異なる役割を持ち始めました。1900年頃には、サッカーのフォーメーションを参考にした「レフトフォワード」「センター」「ライトバック」といった配置が登場。特に、自陣のゴール付近を守る選手が「ガード」と呼ばれ始めました。
◆参考記事
バスケットボールの起源からオリンピック正式種目採用まで
2. 「ガード」の初期の役割とは?
当時の「ガード」は、基本的にディフェンスを担当するポジションでした。選手の動き方によって、「ランニングガード」と「ステイショナリーガード」の2つのタイプが存在していました。
- ランニングガード – コートを駆け上がりながらボールを運び、味方にパスを供給する(現代のポイントガードに近い)。
- ステイショナリーガード – ロングシュートを狙いながらディフェンスを担当する(現代のシューティングガードに近い)。
この時期の「ガード」は、どちらもディフェンス重視のポジションでした。しかし、1950年代に入ると、戦術の進化とともにガードの役割が大きく変わり始めます。
3. 攻撃の起点としてのガードの誕生
1950年代、ピート・ニューウェルというコーチが「トランジション(攻守の切り替え)」に着目し、ガードにオフェンスの役割を持たせる戦術を導入しました。これにより、ガードはディフェンスだけでなく、オフェンスの起点として機能するようになったのです。
1970年代には、ガードの役割がより専門化され、「ポイントガード」と「シューティングガード」という名称が一般的になりました。
- ポイントガード – ゲームの流れをコントロールし、オフェンスの組み立てを担う。
- シューティングガード – 外からのシュートを得意とし、得点を重視する。
それでも「ガード」という名称が残ったのは、攻撃を組み立てながらも「守る」意識が必要とされたためです。
4. 「ガード」の語源 – 他のスポーツとの関連
「ガード」という名称が定着した背景には、他のスポーツの影響も考えられます。アメリカンフットボールには「セーフティ」という守備的なポジションがあり、これは相手の大きなプレーを防ぐ役割を持っています。バスケットボールでも、ガードは相手の速攻を防ぐ役割を担っていたため、類似した名称が使われた可能性があります。
5. 現代のバスケットボールとガードの進化
近年では、「コンボガード」や「ポイントフォワード」・「ポイントセンター」といった新しい概念も生まれ、ポジションの境界が曖昧になってきています。それでも、「ガード」という名称は依然として残り、バスケットボールの戦術において重要な役割を担っています。
6. ガードポジションの命名の変遷

1940年代に行われたと見られるバスケットボールの試合の様子(出典:wikimedia commons)
バスケットボールの歴史の中で、「ガード」というポジションの呼び方や役割は進化し続けてきました。以下の表に、時代ごとのガードの変遷をまとめました。
期間 | 用語 | 主な特徴/責任 |
---|---|---|
1900年頃 | ガード (一般的) | 主に守備的な役割を担い、自陣のゴール付近でプレー。 |
1920年代 | ランニングガード | ボールをコートに運び、パスを出したり、バスケットへ攻め込む(現代のポイントガードに近い)。 |
1920年代 | ステイショナリーガード | ロングシュートを打ち、ディフェンスに重点を置く(現代のシューティングガードに近い)。 |
1950年代 | レフトガード (LG)、ライトガード (RG) | 主にプレーするコートのサイドに基づいた名称。 |
1970年代 | ポイントガード、シューティングガード(確立) | ポイントガードはオフェンスの司令塔、シューティングガードはアウトサイドシュートの役割を担う。 |
1980年代 | コンボガード | ポイントガードとシューティングガードの両方の役割をこなせる選手。 |
まとめ
「ガード」という名称がいつ、誰によって正式に定められたのかは明確ではありません。しかし、バスケットボールの歴史の中で、選手の役割が自然に分化し、守備的なポジションだった「ガード」が徐々に攻撃の起点となる役割へと変遷していきました。戦術の進化やコーチの工夫を経て、現在の「ポイントガード」や「シューティングガード」といった専門的な名称が定着しました。この変化の過程こそが、バスケットボールというスポーツの歴史の奥深さを示しています。
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