ポートランド・トレイルブレイザーズ(以下、ブレイザーズ)はNBAの中でも特に個性的なチームで、その愛称「RIP CITY(リップシティ)」もまた、ファンや地域社会に深く浸透しています。
この愛称には、歴史的な出来事と地元ファンの熱意が込められています。本記事では、「RIP CITY」がどのようにして誕生し、ポートランドのシンボルになったのかをご紹介します。
愛称の起源:「RIP CITY」の誕生
「RIP CITY」という名前が誕生したのは、1971年に遡ります。ブレイザーズがNBAに加入したのは1970年で、当時はまだ創設から間もないチームでした。チームの初期の試合の一つで、ポートランドの伝説的なアナウンサー、ビル・ショーンリーが実況を担当していました。ある試合中、ブレイザーズのガード、ジム・バーネットがロングシュートを決め、そのボールがゴールに吸い込まれる様子に興奮したショネルが偶然「Rip City, baby!」と叫んだのが始まりとされています。
このフレーズは偶然の産物でしたが、その瞬間からポートランドのファンに受け入れられ、「RIP CITY」というフレーズが地域とチームのシンボルとして定着していきました。
「RIP CITY」の意味と象徴
「RIP」という言葉には、「裂く」や「切り裂く」という意味が含まれますが、この文脈での「RIP CITY」は特に深い意味を持たず、むしろスリリングなプレーを表現した感嘆の一言でした。
その響きが持つエネルギーや勢いが、ポートランドの市民やファンの心をがっちりと掴み、やがて「RIP CITY」はブレイザーズを象徴する言葉となりました。
また、この愛称は単なるスローガン以上の意味を持つようになり、チームが困難な状況に直面するたびにファンが「RIP CITY」という言葉を掲げて応援し、共に戦う意識を高めるためのシンボルとして機能しています。
現代における「RIP CITY」の役割
現在も「RIP CITY」はポートランドのアイデンティティの一部として愛され続けています。ブレイザーズの公式ロゴやユニフォームにもこのフレーズが取り入れられており、ファングッズにも多く使用されています。
これにより、ホームアリーナであるモダ・センターは「RIP CITY」として知られ、ファンはチームの一員であることを誇りに思うのです。
ポートランドファンの間だけで通用する合言葉「RIP CITY!」
ポートランドでは、ブレイザーズの勝利や劇的なプレーのとき、あるいはファン同士の会話で「RIP CITY!」と叫ぶのがよく見られますが、アメリカ全般の日常会話で「やったぜ!」の代わりに使われることは少ないです。
この言葉は、主にブレイザーズのファンの絆やチーム愛を象徴する言葉としての意味合いが強く、単に「やったぜ」という感情表現とは一線を画しています。
ただし、ブレイザーズファン同士やポートランドの地元民の間では、「RIP CITY」と言えば、その場のノリや達成感を共有する意味で通じることも多く、特別な応援スラングとしての愛着があります。
「RIP CITY」という言葉は、ポートランドの街の精神や、逆境に立ち向かうチームの姿勢を象徴しています。ファンたちはただの応援者ではなく、ブレイザーズの一部であり、彼らの声援が選手たちのエネルギーの源になっているのです。
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