バスケットボールの「ショーアンドリカバー (Show and Recover)」とは、ディフェンス戦術の一つです。この戦術は、特にピックアンドロールのディフェンスにおいて効果的です。
(ショー&リカバリーも同じ意味です。)
以下に「ショーアンドリカバー」について詳しく説明します。
ショーアンドリカバーとは?一言でいうと?
ショーアンドリカバーとは、「ピックアンドロールディフェンスの際に一時的なプレッシャーをかけた後、元のマークに素早く戻るディフェンス戦術」です。
定義
ショーアンドリカバーは、ピックアンドロールに対するディフェンス戦術の一つです。ピックアンドロールが発生した際に、ディフェンダーが一時的にボールハンドラーに対してプレッシャーをかけ、その後素早く元のマークマンに戻る動きです。
目的
この戦術の目的は、ボールハンドラーにプレッシャーをかけて簡単にシュートやドライブさせないこと、そしてピックをセットした選手がフリーになるのを防ぐことです。
動画
ショーアンドリカバーディフェンスが有効な場面
以下のようなケースにおいてショーアンドリカバーディフェンスが有効であると考えられます。
1. ドリブルが得意な選手
理由: ショーアンドリカバーはボールハンドラーに一時的にプレッシャーをかけることで、その選手のドリブルを制限し、簡単にドライブできないようにするためです。
効果: ボールハンドラーがパスを出すか、ショットを選択する前に、動きを制限し、ディフェンスの再配置時間を稼ぎます。
2. ピック&ロールを頻繁に使用する選手
理由: ショーアンドリカバーはピック&ロールに対するディフェンス戦術として効果的です。ボールハンドラーにプレッシャーをかけ、スクリーンを利用したプレイを妨げます。
効果: スクリーンからのドライブやパスの選択肢を減らし、ピックセット後のオフェンスの流れを遅らせます。
ショーアンドリカバーをしないほうが良いパターン
このようなケースにおいては、ショーアンドリカバーが上手く機能しない場合があります。
1. シューターが絡む場合
理由: ショーアンドリカバーを行うと、一時的にマークを外すことになるため、優れたシューターにフリーのショットチャンスを与えてしまうリスクがあります。
対策: シューターには、ハードヘッジやスイッチディフェンスなど、常にプレッシャーをかけ続ける戦術が有効です。
2. ポストプレイヤーがピックをセットする場合
理由: 大きなポストプレイヤーに対してショーアンドリカバーを行うと、戻るのが難しくなり、簡単にポストアップされてしまう可能性があります。
対策: ポストプレイヤーに対しては、ダブルチームやゾーンディフェンスなどの方法が効果的です。
3. スピードが速いガードに対して
理由: ショーを行った際に、スピードの速いガードはプレッシャーをかわして一気にドライブしてくることがあります。リカバーが間に合わないと、ディフェンスが崩れてしまいます。
対策: スピードの速いガードに対しては、スイッチディフェンスやアイスディフェンス(サイドラインに追い込むディフェンス)が有効です。
ショーアンドリカバーをされたときの対策は?
1. 高い位置でスクリーンさせる
方法: スクリーンの位置を高めにセットすることで、ディフェンダーのリカバーを遅らせる。
効果: ボールハンドラーに多くのスペースを与え、プレッシャーをかけられた後の動きを楽にする。
2. クイックパスアウト
方法: ショーのプレッシャーを受けたら、すぐにスクリーンをセットした選手にパスを出す。
効果: スクリーンをセットした選手がフリーになり、ディフェンスの混乱を誘う。これにより、パスを受けた選手がシュートやドライブの機会を得られる。
3. リロケート(再配置)
方法: ボールハンドラーがショーのプレッシャーをかわし、スクリーンを再利用するために位置をずらす。
効果: ディフェンスがリカバーする間に、再度スクリーンを利用してプレイを作り直すことができる。
4. スクリーンを早めに抜ける
方法: スクリーンをセットした選手が早めにロール(ゴールに向かって動く)する。
効果: ショーアンドリカバーを試みるディフェンダーがリカバーしきる前に、スクリーンをセットした選手がオープンになり、パスを受けて簡単に得点機会を得ることができる。
5. スペーシングの調整
方法: チーム全体で適切なスペーシングを保ち、ボールハンドラーがショーのプレッシャーを受けた後にパスを出せるオプションを増やす。
効果: ボールハンドラーがプレッシャーを受けても、他の選手がオープンになるため、パスの選択肢が増え、ターンオーバーのリスクを減らす。
6. ボールリバーサル
方法: ショーアンドリカバーによって一時的に崩れたディフェンスを利用し、ボールを逆サイドに素早く回す。
効果: ディフェンスがリカバーしきる前に、逆サイドで有利な状況を作り出すことができる。
ショーアンドリカバーの手順
以下にショーアンドリカバーディフェンスの手順・やり方を解説します。
1:ショー (Show)
ピックをセットする選手のディフェンダー(ディフェンダーA)は、ピックアンドロールが行われる瞬間に、ボールハンドラーに対して素早く前に出ます。
この動きは「ショー」と呼ばれ、ボールハンドラーにプレッシャーをかけ、ディフェンスの対応を遅らせます。
2:リカバー (Recover)
ディフェンダーAがボールハンドラーにプレッシャーをかけた後、すぐに元のマークマン(ピックをセットした選手)に戻ります。
元の位置に戻ることで、ピックをセットした選手がフリーになるのを防ぎます。
ショーアンドリカバーのポイント
タイミング: ショーアンドリカバーはタイミングが重要です。遅れるとボールハンドラーに突破される可能性が高くなり、早すぎるとピックをセットした選手がフリーになります。
コミュニケーション: ディフェンダー同士のコミュニケーションが不可欠です。誰がショーを行い、誰がリカバーするかを明確にしておく必要があります。
フットワーク: 迅速なフットワークが必要です。ショーの後、素早くリカバーするためには俊敏な動きが求められます。
まとめ
ショーアンドリカバーは、ピックアンドロールに対する有効なディフェンス戦術の一つです。
正しいタイミングとフットワーク、そしてディフェンダー同士のコミュニケーションが鍵となります。この戦術をマスターすることで、ディフェンス力を大幅に向上させることができます。
この記事が、ショーアンドリカバーへの対策についての理解を深める手助けとなれば幸いです。感想や間違いの指摘などあればコメント欄までお知らせください。皆様からのフィードバックをお待ちしております。ありがとうございました!
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