バスケットボールを観戦する際に、ディフェンスの選手が手を伸ばしてボールの方向を変える場面を目にすることがあります。
この動きは「ディフレクション(deflection)」と呼ばれ、ディフェンスにおいて非常に重要な役割を果たします。
しかし、スティールやパスカットといった他のディフェンスの動きとどのように違うのでしょうか?
今回はその違いについて詳しく解説します。
バスケットのディフレクションとは?
ディフレクション(deflection)は、ディフェンス側のプレーヤーが相手のパスやドリブルに対して手を伸ばしてボールに触れてボールの軌道を変える事です。
(deflectを直訳すると「逸らす」になります。)
厳密に定義すると、「シュートアテンプト以外のボールに守備側のプレーヤーが手を触れること」となります。
参考文献:The Timeless Art Of Deflections
スティールとの違いは?
スティールは、ディフェンス側のプレーヤーが相手から直接ボールを奪い取る行為です。
これはボールの所持権を完全にディフェンス側に移すことを意味し、すぐに攻撃に転じることが可能です。
一方、ディフレクションはボールの方向を変えるだけで、必ずしもボールの所持権を奪うわけではありません。
しかし、ディフレクションはスティールの前段階として非常に有効であり、スティールの機会を増やす手助けとなります。
パスカットとの違いは?
パスカットは、ディフェンス側のプレーヤーが相手のパスを予測してインターセプトする行為です。
これもスティールと同様に、ボールの所持権を奪うことを目的としています。ディフレクションとは異なり、パスカットは相手のパスを完全に遮断することに焦点を当てています。
一方、ディフレクションはパスやドリブルに対して手を触れることでボールの進行を遅らせたり、方向を変えたりすることに重点を置いています。
戦略としてのディフレクション
ホーネッツのヘッドコーチ、スティーブ・クリフォードは以下のような哲学でディフレクションを戦略に落とし込んでいます。
「ゲームの努力の最良の指標はディフレクションの数」
「重要なのは、プレーしにくい習慣をつけることです。それは伝染します。選手がコートを上がってきて、(私たちの選手が)ハーフコートで迎え、ボールにプレッシャーをかけると、攻撃を延ばし、守備から簡単な攻撃を作り出すことができます。それは続けなければならない習慣で、そうしないと簡単にやめてしまいます。」
つまり、ディフレクションとはパスカットやスティールの失敗ではなく、相手の攻撃リズムを崩し、プレッシャーをかけるために狙って行う攻めのディフェンスだと言えるのかもしれません。
まとめ
ディフレクション、スティール、パスカットはいずれもディフェンスにおいて重要な技術ですが、それぞれに異なる役割があります。
ディフレクションは相手の攻撃リズムを崩し、スティールやパスカットのチャンスを生み出すための重要な要素です。
バスケットボールの試合を観戦する際には、これらのディフェンス技術の違いを意識しながら見ることで、より深く楽しむことができるでしょう。
バスケットボールにおけるディフェンスの奥深さを理解し、選手たちの努力と技術に目を向けることで、試合の魅力をさらに感じることができます。
次の試合観戦では、ぜひディフレクションに注目してみてください。
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