NBAのファーストエプロン・セカンドエプロンとは?かんたん&完全ガイド | B.FAN
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NBAのファーストエプロン・セカンドエプロンとは?かんたん&完全ガイド

NBAのファーストエプロン・セカンドエプロンとは? 用語解説

NBAの新しい団体交渉協約(CBA:NBA と、NBA選手組合の間で交わされる契約)では、チームの財務管理を厳格にするための「ファーストエプロン(First Apron)」と「セカンドエプロン(Second Apron)」というルールが導入されました。これらのルールは、選手に過度な高額給与を支払うことを防ぎ、リーグ全体の競争バランスを保つことを目的としています。この記事では、ファーストエプロンとセカンドエプロンの具体的な内容とその影響について、分かりやすく解説します。

NBAのファーストエプロンとセカンドエプロンとは?一言で言うと?

NBAのファーストエプロンとセカンドエプロンは、どちらもサラリーキャップ(チームの選手給与の総額制限)を超えた場合に、お金で解決できない制約が課されるルールです。

がり勉タイプのバスケ選手

これまでもラグジュアリータックスみたいな違反金があったんだけど、お金持ちなチームには大きな効果がありませんでした。
そこで、新たにファーストエプロンという制限が設けられたってことだね

ここまではざっくりした説明ですが、より詳しく知りたい方は以下の説明もご覧ください。

ファーストエプロンとは?

ファーストエプロンは、特定の給与制限を超えるチームに適用される制約の一つです。この制限に達すると、以下のような追加の制約が課されます。

ファーストエプロンで課される制約
  • 契約制限:
    • ノンタックスペイヤーミッドレベルエクセプションやバイアニュアルエクセプションなどの使用が禁止されます。これにより、チームはロールプレイヤー(役割選手)のサインが難しくなります。
  • トレード制限:
    • 放出した選手の契約よりも高い契約を受け取ることができなくなります。これにより、チーム間での大規模な選手交換が難しくなります。
  • その他の制限:
    • サイン&トレードの利用が制限されるため、他チームからの選手獲得が難しくなります。
    • シーズン中のバイアウトマーケットで高額契約を結んでいた選手のサインが不可能になります。

ファーストエプロンは、サラリーキャップを超えて$170ミリオンに達した場合に適用されます 。(現在のレート1ドル約160円で約27.4億円)

セカンドエプロンとは?

セカンドエプロンは、ファーストエプロンよりもさらに厳しい制約が課される給与制限を指します。以下のような追加の制約が適用されます。

セカンドエプロンで課される制約
  • 契約制限の強化:
    • タックスペイヤーミッドレベルエクセプションの使用が禁止され、ミニマム契約やドラフト以外での新しい選手のサインが非常に難しくなります。
  • トレードのさらなる制限:
    • 複数の選手の契約を合体してトレードすることが禁止され、より強力な選手を獲得することが困難になります。
  • ドラフトピックの制限:
    • セカンドエプロンを超えるシーズンが4年間で2回以上ある場合、7年先のドラフトピックが1巡目の最下位に設定され、再建が難しくなります。

セカンドエプロンは、サラリーキャップを超えて$180.5ミリオンに達した場合に適用されます。(現在のレート1ドル約160円で約29億円)

サラリーキャップ超過に課される制約まとめ

超過額 ラグジュアリータックス(贅沢税) ファーストエプロンの制約 セカンドエプロンの制約
$0 – $5M 超過額ごとに$1.50の罰金 なし なし
$5M – $10M 超過額ごとに$1.75の罰金 なし なし
$10M – $15M 超過額ごとに$2.50の罰金 なし なし
$15M – $20M 超過額ごとに$3.25の罰金 なし なし
$20M超過 超過額ごとに$3.75の罰金、その後$5Mごとに$0.50増加 なし なし
$170M超過 ラグジュアリータックス適用
  • ノンタックスペイヤーミッドレベルエクセプション使用禁止
  • トレード制限
  • サイン&トレード制限
  • バイアウトマーケット制限
なし
$180.5M超過 ラグジュアリータックス適用 ファーストエプロンの制約全て適用
  • タックスペイヤーミッドレベルエクセプション使用禁止
  • 複数選手の契約合体トレード禁止
  • ドラフトピック制限

詳細

  • ラグジュアリータックス: チームがサラリーキャップを超えた場合に発生する罰金。超過額に応じて段階的に増加する。
  • ファーストエプロンの制約: ノンタックスペイヤーミッドレベルエクセプションの使用禁止、トレード制限、サイン&トレードの制限、バイアウトマーケットでの高額契約選手のサイン禁止。
  • セカンドエプロンの制約: タックスペイヤーミッドレベルエクセプションの使用禁止、複数選手の契約合体トレードの禁止、ドラフトピック制限。

ファーストエプロンとセカンドエプロンの原文と和訳

参考資料: NBA団体交渉協定(CBA)(Effective as of 7/1/2023) からファーストエプロンとセカンドエプロンに関する記述を引用し、和訳を記載します。

ファーストエプロン(First Apron)

原文(CBA、p.172):

“(4) For each Salary Cap Year covered by the term of this Agreement, there shall be:
(iii) a “First Apron Level” and a “Second Apron Level” as follows:
(A) For the 2023-24 Salary Cap Year, the First Apron Level shall equal the sum of: (1) the Tax Level for the 2023-24 Salary Cap Year, and (2) $6.716 million multiplied by a fraction, the numerator of which is the average of the Salary Cap for the 2022-23 Salary Cap Year and the Salary Cap for the 2023-24 Salary Cap Year, and the denominator of which is the Salary Cap for the 2022-23 Salary Cap Year. For each subsequent Salary Cap Year, the First Apron Level shall equal the sum of the First Apron Level for the prior Salary Cap Year and $6.716 million multiplied by a fraction, the numerator of which is the average of the Salary Cap for the current Salary Cap Year and the prior Salary Cap Year, and the denominator of which is the Salary Cap for the prior Salary Cap Year.”

和訳:

“(4) 本契約の期間中、各サラリーキャップ年度ごとに以下が設けられる:
(iii) 以下のような「ファーストエプロンレベル」および「セカンドエプロンレベル」がある:
(A) 2023-24サラリーキャップ年度について、ファーストエプロンレベルは次の合計に等しい: (1) 2023-24サラリーキャップ年度の税レベル、および (2) $6.716百万ドルに分数を掛けた額。この分数の分子は2022-23サラリーキャップ年度のサラリーキャップと2023-24サラリーキャップ年度のサラリーキャップの平均値であり、分母は2022-23サラリーキャップ年度のサラリーキャップである。以降の各サラリーキャップ年度について、ファーストエプロンレベルは前年度のファーストエプロンレベルと$6.716百万ドルに分数を掛けた額の合計に等しくなる。この分数の分子は当該年度のサラリーキャップと前年度のサラリーキャップの平均値であり、分母は前年度のサラリーキャップである。”

セカンドエプロン(Second Apron)

原文(CBA、p.172):

“(B) For the 2023-24 Salary Cap Year, the Second Apron Level shall equal the sum of: (1) the Tax Level for the 2023-24 Salary Cap Year, and (2) $17.5 million. For each subsequent Salary Cap Year, the Second Apron Level shall equal the sum of the Second Apron Level for the prior Salary Cap Year and $17.5 million.”

和訳:

“(B) 2023-24サラリーキャップ年度について、セカンドエプロンレベルは次の合計に等しい: (1) 2023-24サラリーキャップ年度の税レベル、および (2) $17.5百万ドル。以降の各サラリーキャップ年度について、セカンドエプロンレベルは前年度のセカンドエプロンレベルと$17.5百万ドルの合計に等しくなる。”

 


さいごに まとめ
NBAのファーストエプロンとセカンドエプロンは、チームがサラリーキャップを超えた場合にお金で解決できない制約を課すことで、リーグ全体の競争バランスを保つために設けられたルールです。ファーストエプロンは特定の給与制限を超えたチームに適用される制約で、ノンタックスペイヤーミッドレベルエクセプションの使用禁止やトレード制限が含まれます。セカンドエプロンはさらに厳しい制約を課し、タックスペイヤーミッドレベルエクセプションの使用禁止やドラフトピックの制限などが含まれます。これらのルールにより、過剰な支出を防ぎ、公平な競争環境を維持することが期待されています。

この記事を通じて、NBAのファーストエプロンとセカンドエプロンのルールについて理解が深まったでしょうか?バスケットボールの魅力は、その戦略やルールを知ることでさらに増します。これからもバスケットボールの楽しさを広めていきましょう。

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